「キューバのグアンタナモ湾にある米軍基地のテロ容疑者収容所を、1年以内に閉鎖するという大統領令を発令」のニュースに目を奪われた。
この収容所は、家族などへの告知もないままテロリスト容疑者を拉致して収容し、収容された理由も伝えなければ、弁護士へのアクセスもなく、いつ我が家に帰れるかの告知もなく何ヶ月も何年も収容し続けたり、求められている答えを口にするまで人権なんてクソくらえ、暴力的な拷問をひたすら続け、祖国へ強制送還したりと、実に悪名高いテロ容疑者収容所だ。
大統領の発令スピーチの様子が、今年で30周年を迎える政治報道チャンネルC-SPANで流れていた。ヒラリー・クリントン国務長官が横で見守る姿も、まだまだ目新しい。
ブッシュ政権で失ったアメリカの道徳的価値の威厳回復を狙う意図もあり、
との指摘もあるが、
「アメリカは拷問を行わない」、
「イスラエルの自己防衛権も支援するし、パレスチナとの間の平和も重要」、
「わが国の安全だけでなく、世界の安全も考えていく必要がある」、
という言葉は、明らかな政権交代を印象付けた。
個人的には、記者会見後にインドネシアのジャーナリストか関係者に、インドネシアの言葉で、「アパカバ!(こんにちは)」と挨拶をし、談話する姿が新鮮だった。
幼少時代を過ごした、義父の祖国の挨拶くらいできて当たり前なんだけど、この国の主が、「井の中の蛙」から「国際社会の一員」、かつ「元市民権法の弁護士」に移り変わったことを、改めて実感した瞬間だった。
キューバとの関係回復も気になるところだけれど。
イラクからの撤退の日付も気になる。
教育制度の質の改善も、全市民の健康保険も。
彼はメサイア(救世主)ではなく、ひとりの人間に過ぎないなのは百も承知。
期待があまりに高すぎるのもよーく分かってるけど、期待せずにはいられないのだ。