毎年NYで恒例の収益イベント”ブラック・オーガスト”は、年々その規模を大きくしながら、今年で8周年目を迎える。昨年に続いて今年は
B.B.キング・ブルースクラブ&グリルで8月7日に行われる。毎年、今年こそは行こう!と思っては、チケットを買い忘れて行きそびれてしまっていたが、また今年もこのチャンスを逃してしまったー!
それもこれも、これ以上の豪華メンバーがあるか!?というほどの顔ぶれなのだ。
モス・デフ、タリブ・クウェリ、ブラック・ムーン、スミフ・ン・ウエソン、インモータル・テクニークの出演に、司会がM-1! もちろんチケットは即、ソールドアウト。過去にも、エリカ・バドゥ、コモン、デッド・プレズ、ザ・ルーツ、ジーン・グレー、ギル・スコット・ヘロンなどもフィーチャーしている。
「
マルコムXグラスルーツ・ムーブメント」主催のこのイベントは、
・ヒップホップが若者文化において重要な位置を占める国際コミュニティー間で、ヒップホップ文化のグローバルな成長を支持
・ヒップホップ・コミュニティーにおける社会的、政治的問題の認知を広げること
を目的に、毎年NY、南アフリカ、キューバの三都市で行われている。
今年は特に、アフリカとアフリカにルーツを持つ人々が住む国におけるエイズ問題に焦点を当てている。モス・デフとブラック・ムーンは、その後8月18日と20日に
タンザニアでも同イベントに参加することになっている。
このイベントの一環として、アメリカの政治的囚人開放運動にもその焦点を当てている。政治的囚人(ポリティカル・プリズナー)とは、人種的、経済的抑圧を阻止する為の政治活動から投獄されてしまったアクティビストたちのこと。
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最近までは、このように政治的、社会的活動色の濃いヒップホップ・アーティストたちを総括して「コンシャス・ラップ」「コンシャス・ヒップホップ」というラベルをつけることに、何の疑問も持たないでいたばかりか、カテゴリー好きのメディアのつけるラベルにもわりとこだわっていた。
しかし、彼らは一様にそのラベル付けを拒絶する傾向があることを知るにつけ、わたしもまんまとメディアに踊らされていたことに気付き始めた。「アンダーグラウンド・ヒップホップ」というラベルも然り、だ。ジャンル分けをする時に便利ではあるが、要するに、「いい音楽か、否か」という基準に、もっとこだわって音楽に接していきたいものだ、と感じている今日この頃である。
いいヒップホップ、ホットなビートは、商業的だろうと、アンダーグラウンドだろうと、頭で考えるより先に、体が勝手に動き出すものなのだから。