カテゴリ
全体 hip-hop people dj brooklyn! California Luv Yasiin Bey/Mos Def Madlib DOOM Kendrick Lamar Trayvon Martin インタビュー カルチャー ヒストリー ミュージック 政治 ニュース/ゴシップ Food 4 Thought Thought 4 Food My Gigs others ギャングスター・ラップの歴史 以前の記事
2022年 02月 2020年 07月 2020年 06月 2019年 10月 2019年 04月 2018年 02月 2017年 09月 2017年 06月 2017年 04月 2017年 01月 more... ブログパーツ
LINK n' stuff
【ライター仕事一覧/Writings】
bmr サウンド&レコーディング・マガジン GROOVE エリカ・バドゥ 『ニュー・アメリカ パート・ワン(第4次世界大戦)』 ライナーノーツ Aloe Blacc "Good Things" 解説&対訳 Blue Note Tokyo Jam Amebreak[アメブレイク] Wax Poetics Japan HMV Online FLOOR club culture mag 音楽をよむ Shall We dance? Official Book NY Niche Cafe Globe インセレブ English Style @DVDビデオぴあ ニューヨーク〈2004~2005年版〉地球の暮らし方 25ans ウェディングジュエリー2006 ★メールはこちからから★Contact to Keiko Tsukada ★【NYブロガーズ】に登録しています。 【Vimeo】 my Vimeo :) 【hip hop】 hiphopmusic .com "The Underground Railroad" AllHipHop.com sohh.com okayplayer.com The Original Hip-Hop Lyrics Archive Underground Hip Hop.com G.A.ME Drop the Rock Can't Sop Won't Stop by Jeff Chang Davey D's Hip Hop Corner Hiphop-Directory Intelligent Muzik nobodysmiling.com End of the Weak The Sphere of Hip Hop notrax Liquidscape HipHop-Blogs Hip Hop Association Stones Throw samplist.com Def Professor Rap Genius Dday One HIP HOP UNCHIKN 【favorites】 NYブラックカルチャートリビア Boondocks by Aaron McGruder Boondocks.net COOKPAD the village VOICE Urban Dictionary PopMatters wax poetic ブラックカルチャー知識箱 ブラックカレッジコネクション コルシカへヨメに行く女 BliBlo Steps on Broadway Park Slope Food Coop Santa Monica's Coop Natural Grocer 筋トレ Atsuko Tanaka Photographer mitsu says... Immigrant Film FUNNY? Official Blog The Arit of Living DashaunWorld 洋楽の歌詞に、突っ込み入れてみました。 Julian Berman 【grassroots media】 WBAI 99.5 FM in NYC KPFK 90.7 FM in LA 暗いニュースリンク Alternet Greg Palast Independent Media Center Freedom Rag Black Electorate.com Democracy Now! 【MIGHTY Mos Def】 Mos Definitely Mos Def Music MTV.com - Mos Def Mos Def - Filmography Mos Def - Wikipedia Mos Def News Magnetic: Mos Def News フォロー中のブログ
うちの食卓 Non so... NY日記COLORS ぶつぶつ独り言2(うちの... 下衆牢愚 Limin in FLA... 大人のHIPHOP独り言... 魁!腹筋塾! 湘南暮らし..精進弁当「... ブルックリンへようこそ ハーレム通信 黒部エリぞうのNY通信 マンハッタン・グラフィティ*3 ハーレム・ジャーナル 玄米スパイラル What'going o... Water my blo... ブラックカレッジコネクション ROUTE 295 *SIGHT* もうと... Mitakko Jour... アムスのおいしいせいかつ 言葉の塔 こんなパスタはダメですか? ユニオンスクエアの窯 ☆... パスタレシピ * gra... ニューヨーク・味覚のミラ... vege dining ... A Long Walk SCHOOL OF TE... greengreenvi... 原田真裕美(原田麻裕美)... shake's COUN... 働けECD A Taste of T... ゆるロビ生活 脱原発デモ × ステディカム green n yellow 最新のトラックバック
ライフログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ずーーーっと楽しみにしていた、伝説的グループN.W.A.(にが・ウィズ・アティテュード=要約:態度でかい/ワルい黒人だけど、文句あっか!?)こと、イージー・E、ドクター・ドレ、アイス・キューブ、MCレン、DJイェラの伝記映画『Straight Outta Compton』を、公開ウィークエンドの土曜日に、地元LAの映画館で観て来ました。「映画をサポートしたいなら公開日に観に行こう!」というスパイク・リーさんの言葉を肝に命じながら。 地元だけあって(といってもコンプトンではありませんが)、そして大手ユニヴァーサルがディストリビュートするハリウッド映画だけあって、ハリウッドにほど近いLAの映画館では、朝から晩まで1時間ごとに開始する密な上映ぶり。2800万ドルの予算をかけた本作は、上映最初の週末(8月14日・15日)に見事に2倍の5600万ドルという絶好調な興行成績を記録したそうです。 きっと日本でも放映されることを切に願いつつ、ここからは「ネタばれ注意!」です。が、とりあえず、わたしの「夏休みの宿題:映画感想文」ということで記録しておきたいと思います。 反体制、反社会のアティテュードが、全米、世界中の多くの若者層に支持され、「ギャングスタ・ラップ」という社会現象を巻き起こしたN.W.A.のデビュー作『Straight Outta Compton』の成功から、N.W.A.の終焉まで綴った、2時間27分に渡るこの映画。 見終わった最初の感想はひと言、圧倒的な「大作」。 笑いあり、涙あり、怒りあり、興奮あり、悲哀あり、兄弟愛あり。 人生の皮肉。可能性。夢。不公平。人種差別。希望。成功。敗退。幸福の追求。 ロドニー・キング青年への警察の非情な暴力行為、そしてLA暴動。 終演後のキャスト情報までむさぼるように見入った、まさに圧巻の2時間半でした。 メディアを通して「暴力」や「社会悪」のシンボルのように扱われて来た彼らの、ヒップホップというフィルターを通した現実や自己表現が、皮肉にも、いや、おそらく満を持して、再びメディアを通して等身大の「人」としての姿が初めて映し出された事実には、安堵と喜び、そして大きな共感を感じました。 彼らも、彼らを批判してきた側の人たちと何ら変わりない人間なのだという、ごく当たり前の、しかし一部のアメリカ社会からは無視されがちだった事実が、非常にダイナミックかつドラマティックに描かれていました。 そしてアイス・キューブとドクター・ドレも制作に関与しているだけあって、当事者側が伝える事実が非常に詳細に表現されていたことや、ヒップホップ、西海岸、コンプトンで生まれ育った若者の日常、エンタメ界を支配するユダヤ人社会の構造など、歴史的、教育的要素満載の映画としても非常に貴重な内容になっていたことも、「大作」となった重要な要因だと思います。 N.W.A.が結成された1986年から始まるこの映画は、このブログではとても書ききれない数々のドラマを経て、ドクター・ドレが裸一貫になってまでデス・ロウ・レコーズ/シュグ・ナイトとの悪夢の関係を断ち切り、アフターマス・レコーズを始める出発点で幕を閉じます。 中でも個人的に印象的だったのは、ドレー博士の天才的な制作能力と先見の明も去ることながら、アイス・キューブの飛び抜けた知性です。お恥ずかしながら、世のヒップホップ・ファンのみなさんに比べて割と遅めにヒップホップ愛に目覚めたわたしは、NYヒップホップに偏りすぎていたこともあり、2008年に実際にNYからLAに引っ越すまでは、それほど深くウエッサイ・ヒップホップに共感を持てずにいました。 が、先日LAのステープルズ・センターで行われたケンドリック・ラマー、スヌープ、アイス・キューブとMCレン、DJイェラのぷちN.W.A.再結成ライブで圧倒的に感動したのは、アイス・キューブの同胞への愛情と、成功してもなおフッドに起こっている現実(#BlackLivesMatter)に誰よりも想いを馳せていた彼の姿でした。そこから遅すぎる春、ならぬ、遅すぎるアイス・キューブ再発見願望が、わたしの中でふつふつと沸き上がっていったのです。 N.W.A.結成当時、まだ高校生だったキューブは、日々ギャングに脅かされるコンプトンの日常の中でせっせとライムを書き貯め、自己表現のはけ口を常に探して求めていました。 運命が引き寄せた、出会うべくして出会ったN.W.A.の5人。実は最初はラッパーになる気なんてさらさらなかったイージー・Eは、ドクター・ドレがはっぱをかけたことで、リアリティ・ラッパー、語り部としての才能を開花します。イニシアチブを取る才能に長けていたイージーが始めたルースレス(非情な、冷酷な、という意味)・レコーズから、最初は「イージー・E & N.W.A.」という立ち位置でシングルレコードをリリースし、人気はあっという間に広がって行きます。 そこでユダヤ人音楽マネージャーのジェリー・ヘラー(思えばイージーにとって父親的存在にもなったと思われる、間違いなくN.W.A.を世に送り出した重要人物)は、いち早くイージーの才能と「リアリティ・ラップ」の市場開発の可能性に目をつけ、N.W.A.の中ではイージー優位(実は業界の習慣的にジェリー優位だった)のレコード契約の話を持ちかけます。 そこからあっという間にデビュー作『Straight Outta Compton』が生まれ、その魅力と刺激に飛びつく全米の若者層と、暴力的リリックに特化して(なぜその現実が生まれたかという社会的背景には想像も及ばない)反対運動を生み出す保守派層のうねりの中で、良くも悪くも社会現象となっていくのです。(このアルバムが、コンプトンの西隣に位置し、今日では日系人の人口が多いトーランスという街でレコーディングされたことは、わたしにとってとても新鮮な発見でした) 目先の大金に心を踊らせ、また生活苦による必要に迫られ、ろくに読まずに(自分たちに非常に不利な)契約書にサインしたメンバーたちに比べ、冷静に弁護士との確認なく署名することを最後まで躊躇していたのが、『Straight Outta Compton』でも人一倍リリックで貢献していたアイス・キューブでした。 『Straight Outta Compton』リリースによりその名を上げ始めたといっても過言ではないプライオリティ・レコーズの経営者は、爆発的な売上げに反して収益をメンバーたちに十分に還元しないことに不満に唱えるキューブを、「次作ではちゃんとするから♡」と、言葉巧みに説得します。 成功による生活の向上は享受しながらも、やはり貢献度と成功に見合わないと感じる待遇に、納得がいかないキューブ。自分たちのアートで巨万の富を築き上げるプライオリティ・レコーズの現状にしびれを切らしたキューブは、再び経営者のオフィスを訪ねます。しかし、またもや言葉巧みにキューブを説き伏せようとする、らちのあかない経営者。ぶち切れたキューブは、社長室に飾られるプラチナムレコードの額縁やら家具やらを、持参した野球バットで端から勢い良く叩き壊し、彼なりの正義を掲げて、「ディスリスペクト」に対する制裁を加えます。 N.W.A.のメンバーがまだほぼ無名だった頃、『Straight Outta Compton』のレコーディング中に、「ギャングっぽいから」という理由で、警察官にいつもの非情で不公平な嫌がらせ兼暴力行為を受けます。その体験から、キューブは悪名高くも後にグループのアンセム的存在となる「F*** Tha Police」のリリックを書き上げたシーンも、彼らの「リアリティ」を実に象徴的に現していました。 マルコム・Xを救った人物としても知られるイライジャ・ムハンマド師が創設した、アフリカ系アメリカ人のイスラム運動組織、ネーション・オブ・イスラム(NOI)の思想は、多くのラッパーたちにも影響を与えてきたことでも知られていますが、アイス・キューブもそのひとりでした。 どの曲だったか失念しましたが(おそらく"No Vaseline"?)、ユダヤ人であるN.W.A.のマネージャーのジェリーが、ある曲の中にアンチ・ユダヤ人的(anti-Semitic)発言があると激怒するシーンがあります。 黒人の経済的自立、民族的優越を説いたNOIは、その一見過激ととらえられる思想から、(事実上、政界、経済界、メディア、エンタメ界等を支配してきた)ユダヤ人に反する思想を持つとして、度々バッシングの対象とされてきました。 当時そのNOIの思想に傾倒していたとされるキューブが、自宅にインタビューに訪れた、おそらくユダヤ人と思われるインタビュアーに対する非常に知性的な返答は、わたしとって特に印象的なシーンのひとつでした。 「あなたは反ユダヤ人主義なんですね?」という断言的な質問に対し、「自分はあなたと同じように「リアリティ」を伝えるジャーナリストだ。自分はアンチ・ユダヤ人主義ではなく、アンチ・ジェリー・ヘラー(N.W.A.を摂取したとされるマネージャー)なのだ」といった調子で切り返すキューブの一撃は、彼のリリックに勝るとも劣らない名言で、見ているこちらの胸もすかっとする思いでした。 印象深いストーリーが次々と展開する中、当時まだ謎や差別の多かったエイズの病魔に犯されていくイージー・Eの姿は、とても悲痛で、人生の皮肉を感じずにはいられませんでした。破竹の勢いで成功したN.W.A.は、またそれに負けないスピードで、グループの崩壊へと向かいます。イージー、ジェリー本意の契約内容に愛想を尽かしたキューブやドレが、イージーとの仲違いを経て、グループを離れ、ソロとして更なる成功を収めていきます。 契約金を豪遊して使い果たしてしまったことも事実だったと思いますが、結局は信頼し切っていたマネージャーのジェリーに利用され、摂取されていたのだと気付く頃には、すっかり困窮する生活に戻ってしまったイージー。再び輝ける成功を夢見て、メンバーとの再結成を模索し、キューブに、ドレーに歩み寄ります。成功が生んだ亀裂ではありましたが、同郷コンプトンで5人を結んだ強い兄弟愛は、ほどなくしてメンバーを再結成の決意へと導きます。 そんなサードアルバム制作への期待と、古き良き仲間の再会を心から楽しもうとしていたその矢先、スタジオでイージーが気を失い、倒れてしまいます。体調不良に気付きながらも、無理を押して再結成を夢見ていたイージーは、既にエイズの末期症状だったのです。(病気のイージーがほとんど参加できなかった、『Bone』と命名されたその最後の作品の存在/行方が、事実に基づいたストーリーなのかは気になるところです) わたしはコンプトンで生まれ育っていないし、想像こそできても、彼らが体験してきた人生に本当の意味で「共感」することはできないのかもしれません。でも、メンバー本人たちの監修で実現したこの大作映画『Straight Outta Compton』は、イージー・E、ドクター・ドレ、アイス・キューブ、MCレン、DJイェラが、警察やアメリカ社会に「社会悪」、「暴力」という烙印を押されてきた表層的イメージを紐解き、彼らだって笑いもすれば泣きもする、わたしたちと同じように幸福を追求し、平和な暮らしを求める人間なのだということを、気付かせてくれた気がします。そして、その平等なチャンスは、すべてのアメリカ市民に与えられているわけではないという現実にも。 ハリウッドマネーよろしくのこの映画も、資本主義サイクルの一環であることは、紛れもない事実でしょう。でもN.W.A.にそんなネガティブな烙印を押してきたメディアが、何の因果か皮肉か、その烙印を紐解くポジティブな役目、責任を、N.W.A.結成から29年たった今果たしてくれたのも、また事実。 N.W.A.の真骨髄とも言えるトレイラーの言葉から。 キューブ「俺たちは音楽にフラストレーションと怒りのすべてを注ぎ込んだ。俺たちの音楽は、俺たちの武器のようなものだった」 そんな彼らのむき出しの「リアリティ」「真実」を、世に伝えた5人のジャーナリストたちの勇気と才能に、感謝と愛を送りたい。 そしてその「リアリティ」から29年たってもなお、いまだに警察官の銃撃や暴力行為で次々にアメリカ黒人が命を落としている現状の改善に、この映画が少しでも貢献してくれることを祈って。 Ima straigh outta Nagano. Ima straigh outta Brooklyn. Ima straigh outta City of Angeles. ...Heiwa - for Peace... 映画上映1週間前に青空に浮かぶCOMPTONの文字 追記: ビギーの伝記映画 『ノトーリアス・B.I.G.(Notorious)』を、引っ越してきたばかりの2009年にLAで見たときは、どでかい映画館に5、6組しかいないという閑古鳥状態で見た寂しさを思い出します。今回、地元LAで見た『Straight Outta Compton』は、ブルックリンらぶ for life!だったわたしが、いつの間にか、すっかりウエッサイへの地元愛を育んでいたことを再確認するきっかけにもなったのでした。 *all photos taken/edited by Keiko Tsukada, except for the top & the last images. give thanx!
by kokosoul
| 2015-08-17 15:58
| hip-hop
|
ファン申請 |
||